デュパルク 歌曲〈旅への誘い〉 2
現在残されているなかで、歌曲は、16曲あるだけだが、それらは、フランス近代歌曲の形成のための、かけがえのない貴重な財産となっているのである。
ボードレールの詩に曲をつけた〈旅へ誘い〉はデュパルクが22歳(1870年)のときの作品で、「わが子よ、わが妹よ、その楽しさを思ってごらん、そこへ行って、ともに住み、のどかに愛し、愛してまた死のう、お前にも似たあの国へ行って」という歌詞がつけられている。
曲は、洗練された優雅さが全篇にあふれ、フランス近代歌曲の夜明けを告げるにふさわしい傑作となっている。